2017.02.14

路線も回路も美しい。基板とは完璧に計算された芸術である。

FLASH 関西回路線図 iPhoneケース

路線も回路も美しい。
基板とは完璧に計算された芸術である。

FLASH 関西回路線図 iPhoneケース
クリエイティブワーク部門 ロールモデル

 

株式会社電子技販
http://www.denshi-gihan.co.jp/
http://www.denshi-gihan.co.jp/moeco/

 

身近なところではスマホにPC,視野を広げればインフラと数え上げればきりがないほど、私たちのまわりではあらゆる状況で電子機器が活躍し、日々の生活を便利にしている。その内部で動作の基幹となっているのが、電子基板だ。全体のバランスや信号の流れを考えながら、電気的な性能が追求されている。ふだん目に触れることはないが、整然と配置された基板の美しさを表現したのが、PCB ART moecoの〈FLASH 関西回路線図 iPhoneケース〉だ。基板CADでデザインした本物の基板に、電車の路線が金色に光り、駅にはLEDやIC、抵抗器のチップなど、約200個もの電子部品を実装。シルク文字で精巧に描写された関西の鉄道路線は、西は西明石駅、南は和歌山市駅、東エリアは京都府の山科駅や三重県の柘植駅までを網羅。この製品がつくられた工場もひそかにデザインされているので探して欲しい。さらに面白いのはiPhone自身が発する電波を電力に変換し、昇圧することでLEDが光ること。情報量の多いGoogleマップなどのアプリを使用したときや、エレベータや地下街でiPhoneが位置情報を探しているときなどに、大阪駅に配置した赤色LEDが光る。そんなガジェット好きの心くすぐる仕掛けも忘れない。アイデアやデザインがすぐれているだけではない。仕上げは超クリアな樹脂で封止され、樹脂ケースの表面は傷がつきにくく手触りがソフトな塗装が施されている。すべてのケースに共通する素材には、弾力性のあるTPU(熱可塑性ポリウレタン)を採用しており、着脱しやすいしなやかさを持ち、ケースも割れにくい。
このアイテムをつくりあげたのは、制御基板メーカーの電子技販。幼いころから基板に魅せられてきた代表の北山寛樹さんが、今までに誰も見たことのない基板で雑貨をつくるPCB ART moecoブランドを立ち上げた。コンセプトは「基板萌え」。北山さんはつねづね「基板とは機械を制御する部品に過ぎない。効率性が求められ、デザインや遊びはないはずなのに、なぜこんなにも美しいのか」と考えていた。そこに「東京の路線図は基板の回路に似ている」というアイデアが加わって生まれたこのガジェット。電車や地図好きがうっとりとするような美しいラインに目が奪われるが、線と点で組まれた規則性のあるパターンにはアートな雰囲気さえ漂い、マニアならずとも見るものを圧倒する精巧さを持っている。日本のエレクトロニクスが詰まった精密な基板の中に芸術性を見出し、本業の高密度基板に使う技法を惜しげもなく投入している。本物と同じ材料、まったく同じ工程でつくられたiPhoneケースは、まさにメーカーの本気をうかがわせる逸品だ。

 
 

FLASH 関西回路線図 iPhoneケース
「電池なしでLEDが光るギミック」は、自社で6カ月かけ研究をおこない回路を開発。基板裏面にあるアンテナがiPhoneの発する電波をキャッチし、基板の表に回り、乗換駅に実装されたセラミックコンデンサ、ダイオードなどで電圧と電流を高めてLEDを光らせる。
FLASH 関西回路線図 iPhoneケース
気の遠くなるような作業の繰り返しから生まれる緻密なデザインは、文字のにじみひとつない。プリントではなく基板に回路線図をエッチングでつくり上げ、その上から人の手で薄く樹脂で覆う、そんなつくりだからこそ可能にしたこだわりには感動すら覚える。
デザイン/ナカジマミカ

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